東北電力は、女川原子力発電所2号機でテロ対策のため建設が義務付けられている「特定重大事故等対処施設」の工事の完了時期を当初の予定から1年8か月先送りにすると発表しました。

これにより、女川原発2号機は2026年12月から工事の完了まで一時的に運転を停止することになります。これは10月17日、東北電力が会見を開き明らかにしたものです。

「特定重大事故対処施設」はテロ対策のため蒸気を逃がす安全弁を動かして原子炉圧力容器内の圧力を下げたり、圧力容器や格納容器を冷却したりする作業を遠隔でもできるようにする施設です。

この施設の設置期限は2026年12月22日でしたが、施工会社の働き方改革の影響で工事の進捗が遅れる見込みで、完了時期が2028年8月にずれ込むということです。

これにより女川原発2号機は2026年12月から約1年8か月の間、運転を停止することになります。

東北電力・青木宏昭・原子力本部長:
「本来であれば原発が運転することで電力の安定供給やカーボンニュートラルへの貢献ができる予定だったものができなくなることは誠に残念」

このほか、災害などによる重大事故で原発内の全ての交流電源が失われた場合に電気を供給するための電源設備の工事の完了時期も2028年3月に変更すると発表しました。