「食品ロス」を減らしながら生活に困る人たちの働く場所を生み出す取り組みが、札幌で始まりました。
 2つの社会課題をつなぐカギは、みんな大好きな「パン」です。

「つぶあんパン、4…」

 札幌市北区の一角に運び込まれたのは、箱に詰められた、たくさんのパン!
 ここは、「夜のパン屋さん」。
 パンの販売店から、閉店時間が近づいて売れ残りそうなパンを安く買い取り、1か所で販売することで捨てられるパンを減らす取り組みです。

シロクマベーカリー 荒川祐太郎さん
「90個くらい持ってきました。きのうあまり売れなくて思ったより残ってしまった。どうしてもパン屋はパンが余ってしまう。店をやっていくうえで廃棄は切っても切れない。誰かの役に立てば素晴らしい仕組みだなと思います」

 午後4時。オープンと同時にたくさんの客が訪れました。
 6日は、札幌市内の6つの店から150個以上のパンが並びました。
 道産小麦を使ったパンに米粉のパン…どれもおいしそうです。

女性客
「インスタでチェックしていた。すぎうらベーカリーの3個詰め合わせを買った」

 この店を運営しているのは、ホームレスの人たちの自立を支援する団体「ビッグイシューさっぽろ」です。
 住む家や仕事がないなど生活に困っている人にパンを売ってもらい、その利益が販売員の賃金になります。

ビッグイシューさっぽろ 平田なぎさ 事務局長
「生活が苦しい学生や、シングルマザーに声をかけて『一緒にやりませんか』というふうに広げて行けたらいいな」

 「夜のパン屋さん」の営業は、北区北18条西4丁目の書店「シーソーブックス」で、6日は午後7時まで。
 現在は月に1回の営業ですが、春以降は営業回数を増やしていきたいということです。


12月6日(火)「今日ドキッ!」午後6時台