山形県の吉村知事はきょう、県内でクマの目撃が相次ぎ、市町村からクマ対策や緊急銃猟に関する問い合わせなどが多いことを受け、市町村に対応する専門チームを立ち上げたと公表した。

これはきょうの定例会見で、吉村美栄子知事が述べたもの。「緊急銃猟タスクフォース」と名付け、県と県警が専門知識を持つメンバーを市町村に派遣し、有事に備え意見交換やアドバイスを行う。

吉村知事は「制度を知ることで実行のしやすさにつながる」と話した。状況に合わせて判断のスピードを上げることが狙い。今月21日の河北町を皮切りに、順次県内の市町村を回る予定だという。

緊急銃猟については、現場に責任が伴うなどの理由で、運用に関する不安や運用方法に関する疑問が県に寄せられていたという。

県内ではクマの目撃や出没が相次ぎ、鶴岡市と米沢市で市長が緊急銃猟を許可するなどの事案が発生していた(ともに緊急銃猟での駆除には至らず)。またきのうは天童市でクマ1頭が駆除されたが、その際も市の中心部に近い場所だったことから、一時緊急銃猟が検討された。

緊急銃猟は、市街地にクマなどが出没した場合、安全面の条件などを満たせば市町村長の判断で銃による駆除を許可できる制度で、鳥獣保護管理法の改正にともない9月に運用がはじまったばかり。

今回の県の取り組みが、市街地にクマなどが出没した場合の迅速な対応につながることが期待される。