原口さんは出所後の1995年、67歳の時、裁判のやり直しを求めて鹿児島地裁に初めて再審請求をしました。

弁護団は、男性は原口さんらに殺害されたのではなく、直前に起きた自転車事故が原因で死亡した可能性を指摘してきました。

地裁は再審請求を認めたものの、検察が不服を申し立て、高裁、最高裁ともに再審を認めませんでした。

再審請求はこの30年間で4度行われ、地裁で2回、高裁で1回再審が認められましたが、いずれも検察が不服を申し立てて覆されています。

(日本国民救済会鹿児島県本部・永仮正弘 会長)「再審の門を裁判所は開いてくれない。むしろ閉じる方向にしているのが非常に残念」

原口さんとの面会の後、弁護団や支援者が集まり、集会が開かれました。原口さんを支えている長女・京子さんは、切実な思いを訴えました。

(原口アヤ子さんの長女・京子さん)「母は話せないが、頑張って生きている。耐えて生きている。元気なうちにひとこと『(殺人は)してなかった』『分かってもらえた』と言ってあげたい」

(大崎事件弁護団・鴨志田祐美 弁護士)「大崎事件はこれまでの長い闘いの中で、再審制度の不備を浮き彫りにした事件でもある」