「治ることを待てるかもと思った」メモ帳に書き残した希望
パソナパビリオンのプロデューサーである、iPS細胞研究の第一人者・澤芳樹教授が声をかけてくれました。
澤芳樹教授
「私と同い年、1955年生まれですね」
「筋ジストロフィーへの研究も進んでいます。筋肉を作ることはできていますが、それを半永久的に機能させるためには、さらにもう一歩、新しい技術が必要になる」
「研究者の我々はいっぱい頑張ってますので、ぜひ期待してください」
由紀子さんは「私も待っています」と、力をぎゅっと込めて握手を交わしました。

電子メモ帳に、こう書き残しました。
「欲が出てきた。治ることを待てるかもと思った」
「元気になったら何をしようかなと考えるようになった」
「プログラミングの勉強してみようかな」
「あきらめないこと!科学の進歩を信じること!」

夢が叶った夜。由紀子さんが見上げた空には、次の物語への光が灯っていました。


筆者:吉田健一
TBSテレビ報道局「Nスタ」ディレクター 2016年入社
旅行好きの母を2024年がんで亡くし、今回取材した医師同伴の旅行会社「トラベルドクター」に関心を持つ。
