夢は「あの時と比べたら会社は随分良くなったね」といつか思えること

―――最近はお菓子に限らず原材料高で値上げは避けられないようですが、ロッテではいかがですか?
 いまは本当に原材料高、エネルギー高、為替の円安の問題ともう3重苦で値上げをせざるを得ない状況です。品質の良い商品を作り続けるためには値上げは仕方がないと判断しまして、この秋の9月・10月、一部8月から改訂しました。本当に厳しいですね。常に危機感ですね。きのうきょうの成功は、翌日はないと。だからそこは、過去の成功体験はありますが、否定していかないと次の成長はないと思っています。
―――社長になってから会社の雰囲気だとか「変えたい」と思ってきた点はできていると思いますか?
 まだまだ実感が得られていない部分もあるので、これからかなと。何年かして振り返れば「あの時と比べたら随分良くなったね」とか「だいぶ成長したよね」と思えたらいいかなと。自分の時に結果が出なくても、そういう道筋を作っていければと。まだまだロッテは発展途上で、もっと多くの消費者に会社を理解してほしいというか「本当に良い商品を作っているね」とか「おいしいね」とか「気持ちが和むよね」というようなことをたくさん言われたいというのが夢だし、働いている従業員が「ここで働いてよかったな」と思える会社にしていくことが役割だし夢ですね。

―――最後に、牛膓さんにとってリーダーとは?
 常に現状を否定して新しいことを生み出せる力がある人がリーダーであり、それを従業員に挑戦させて、その結果については失敗があってもすべて受け止められる。そういう人がリーダーだと思います。

■牛膓栄一 1960年、神奈川県横浜市で生まれる。1983年、明治大学政経学部を卒業し同年にロッテ入社。 2008年、ロッテ商事営業統轄部執行役員。2016年、同社専務。2018年、ロッテ社長、現在に至る。

■ロッテ 重光武雄が1948年、チューインガムを手掛け会社を創業。1950年に「新宿チューインガム工場」が完成。昨年度の売上高は約2400億円。従業員は約2500人。

※このインタビュー記事は、毎月第2日曜日のあさ5時30分から放送している「ザ・リーダー」をもとに再構成しました。