国内のガム市場で約65%のシェアを占める大手菓子メーカー「ロッテ」。1979年発売の「パイの実」や1984年発売の「コアラのマーチ」など消費者から長く愛される商品を数多く持つ。2018年に自ら立候補して社長になった牛膓(ごちょう)栄一社長。こよなく会社を愛し「営業は天職だ」と語る。文豪・ゲーテ作品のヒロインで永遠の恋人として知られる「シャルロッテ」から社名を取り、長く愛される会社にと願う牛膓社長が取り組む社内改革と次なる戦略を聞いた。

野球漫画「キャプテン」が組織を率いる原点

―――牛膓さんはずっと横浜で育ったいわゆる浜っ子ですよね?
 私は一人っ子だったので、どちらかというと人見知りの気の小さい子で、なかなか人としゃべるのが苦手というか「お母さん大好き」な子でしたね。関西弁で言う「あかんたれ」です。小学校に入ってもその調子だったので、小学3年の時に親が無理やり地元の野球チームに入れたんですよ。そこで結構、もまれましてね。チームメイトと色々やるようになって少しずつ仲間を広げて活発になってきました。だから感謝していますよ、親には。

―――野球漫画の「キャプテン」がお好きだとか?
 谷口君というキャプテンが、あまり実力はないんですけど、チームメイトから慕われて1つのチームをつくりあげていくストーリーで、こういう過程がものすごく新鮮で、当時は憧れましたね。会社も色々な個性ある人間の集まりですから、長所をいかにして引き出して際立たせるかを一番大事にしたいと思っています。その原点は「キャプテン」という漫画にあるのかなと。組織も野球チームも似たところがあると思いますね。