「目に見える実績」アピールか、トランプ氏の思惑は
小川彩佳キャスター:
狙いも含めて、合意についてトランプ政権はどう受け止めていますか?

ワシントン支局 大橋純記者:
第1段階とはいえ、イスラエルとハマスが具体的な合意に達したことに、アメリカサイドとしては大きな手ごたえを感じているようです。
トランプ大統領は「ピースメーカー(平和を作る人)」を自称していて、ノーベル平和賞を取りたいと繰り返し公言しています。
これまでもインドやパキスタンの紛争などで、自分自身が和平を仲介してきたとアピールしていて、ガザでの和平というのは歴史的な成果にもなりうるという位置づけの下で、こだわりを見せてきました。
ガザをめぐる問題は、世界的な関心も極めて高く、このまま停戦が実現すれば、内政・外交の様々な分野で課題を抱えるトランプ大統領としても、「目に見える実績」として誇ることができます。
ただ、人質の解放と戦闘の停止が最優先事項だったことは明らかで、今後、イスラエル軍がいつまでに撤退するのか、ガザの統治はだれが行うのかといった重要な部分について、どこまで詰められているのかハッキリしません。
和平協議を次の段階へ進めていくなかで、トランプ政権の想定と違う動きが出てくる可能性も排除できないだけに、先行きについてはなお予断を許さない情勢です。