トランプ大統領が発表した和平計画の「第1段階」に合意したイスラエルとイスラム組織ハマス。しかし、合意後にもイスラエル軍の攻撃は続いています。停戦の実現はいつになるのでしょうか。
「和平計画」第1段階の合意 人質交渉のハマスがなぜ?
母親はハマスに連れ去られた息子をずっと待ち続けていました。

人質・マタンさんの母親 エイナブさん
「マタンが戻ってくる。感じていること、言いたいこと。やりたいことをうまく伝えることができない」
連日、イスラエル軍の攻撃を受けるパレスチナ自治区ガザでも。
戦闘を続けるイスラエルとイスラム組織ハマスが、ガザを巡る和平計画の第1段階に合意しました。

内容は
・ガザでの戦闘を停止すること
・イスラエル…パレスチナ人捕虜の解放と、軍を合意された境界まで撤退
・ハマス…人質の解放 など
イスラエルのネタニヤフ首相はSNSで、「第1段階の承認により全ての人質が帰国する」ことも明らかにしています。
人質を交渉の切り札にしてきたハマスは、なぜ合意したのでしょうか?

中東政治に詳しい 慶応大学 錦田愛子教授
「戦闘を継続したところで、イスラエル軍がどんどん攻撃を加えてきて、組織として殲滅に近い状況になっていくのは明らか。人質解放をしなければ戦争が終わらないということはわかっている。武装解除すれば恩赦が与えられるという有利な条件というものを受け入れて、組織としては延命を図りつつ、戦争を終わりに導ける方が好ましいと判断したんじゃないかと」
合意後もイスラエル軍の攻撃は続いています。
ガザ市民
「停戦が実現することを願うたびにその願いは裏切られた。合意は喜ばしいが、それが永遠の休戦となり、平和と安全のために実現を願う」
停戦は実現するのか。
慶応大学 錦田愛子教授
「(今回の合意で)戦争が止まることは、暫定的なものであるとしても非常に望ましいこと。ただこれが長期のガザにおける停戦につながるのか、そもそも人質を解放した後、イスラエル側が更なる譲歩に応じるのかは、注目していかなかければいけないところ」