「鋭くうがった見方」
神戸:「うがった」見方。疑ってかかるような見方をする感じで使うことが多いですよね。でも本当は、「雨が石を穿(うが)つ」と言うように、穴を掘るという意味ですね。「鋭く物事の本質を捉えようとする視点で見ている」が本来の「うがった見方」。
<「疑って掛かるような見方をする」という本来とは違う否定的なニュアンスで使う人が48.2%に上り、本来の正しい「物事の本質を捉えた見方」とした人(26.4%)を大幅に上回った。(中略)もはや否定的使用を”誤用”とは言えないかもしれない>(59ページ)
神戸:ただし、使う場合は「鋭くうがった見方」という風に言えば肯定的に使えますし、「うがち過ぎた見方」と言えば否定的にも使えるよねということで、放送で使う時はいろいろな言葉遣いを気にしながらやってみましょう、と提案がなされています。この本、一般の方が読んでもとても面白いと思います。
◎神戸金史(かんべ・かねぶみ)

1967年生まれ。学生時代は日本史学を専攻(社会思想史、ファシズム史など)。毎日新聞入社直後に雲仙噴火災害に遭遇。東京社会部勤務を経てRKBに転職。やまゆり園事件やヘイトスピーチを題材にしたドキュメンタリー映画『リリアンの揺りかご』(2024年)は各種サブスクで視聴可能。最新作のラジオドキュメンタリー『家族になろう ~「子どもの村福岡」の暮らし~』は、ポッドキャストで公開中。