県が奄美市で行政代執行した防災対策工事の費用について、債務者の会社役員が死亡したため、およそ4億4700万円あまりを回収できない状態であることが分かりました。
県は、債務者の納付義務が消滅し、回収を断念する「不納欠損処分」について検討しています。

県によりますと、奄美市住用町の採石場で2004年7月、大規模な斜面の亀裂が発生しました。採石を許可した県は、採石業者に対し、災害防止措置命令を出しましたが、業者が対応できなかったため、代わりに県がおよそ2年かけて、防護柵の設置や、斜面を固める工事を行いました。

県は、この費用を回収するため、採石業者に対し財産調査や面談、督促などを続けてきましたが、今年4月、債務者の会社役員が死亡したため、回収できなくなったということです。

県が回収できたのは、法人の預貯金1001円のみで、回収できていない未済額は、およそ4億4700万円あまりに上るということです。

県は、債務者の納付義務が消滅し、回収を断念する「不納欠損処分」について検討しています。決定すれば、県費から支払われた4億4700万円はもどってきません。