懸念は「賃料」と「地元感」

一方で懸念されているのが賃料です。

現在、ワンビルと天神ビジネスセンターの賃料は、1坪(約3.3平方メートル)あたり3万円台と周辺のビルの約1.5倍。

天神地区のオフィスビルの賃料は今後さらに高い水準になると見られていて、計画の見直しなど影響が出てくる可能性もあると中村さんは指摘します。

三幸エステート 福岡支店 中村竜治 支店長
「需給バランスにもよるんですが、2030年前後までは、再開発が続いていきますので、それ相当の賃料水準は2030年前後までは続くのではないかなと思ってます。弊害は企業の家賃負担能力が追いついていけるかどうかですね」

今後も2030年代にかけて建て替えが進む天神地区。

福山教授は、”福岡らしさ”や”地元感”を感じられる店や街のたたずまいをいかに残していくのかが今後の課題とみています。

九州産業大学 建築都市工学部 住居・インテリア学科 福山秀親 教授
「“世界のブランド”と“ローカルな店”この2つの組み合わせで街の魅力が形成されていました。そういうところが一掃されて今後、天神全体のショップ構成はかなり画一化されていく。実はそれが一番危惧されている」