日本酒1円でも「広告宣伝費0円」で売り上げ3倍に

出水キャスター:
当然、「日本酒1円戦略」だけでは赤字ですが、お店側のメリットとしては、「広告宣伝費0円」なのにお客さんが殺到する仕掛けになっています。

詳しく見ていきますと…

▼お客さんがSNSに投稿
▼つまり、勝手に「宣伝」してくれる
▼その結果、客数&売り上げアップ
▼売上3倍になり、トータルで黒字になる

今、SNSでは食事は「食べる」だけではなく「共有する」時代だとも言いますので、やはり価値ある情報は「シェア」したくなる時代なんですかね。

慶應義塾大学教授・教育経済学者 中室牧子さん:
これは非常にうまいことやられているなと思います。経済学的には、合理的な行動だと思っていて、例えば、経済学では「経験財」という言葉があります。

これはどういうことかというと、まずは実際に経験してもらって、「それがいいな」となると固定客になってくれる。そうすると、その後、値段を上げたとしてもちゃんとお客さんがついてきてくれて、長期的に見れば、初期の投資を回収することができるというようなことです。

なので、まずは日本酒を飲んでもらって「これいいな」となって、料理も食べてもらって、「これもいいな」となった人たちに、「顧客としてずっと来てもらいたい」「長期に渡って来てもらいたい」ということなんだと思います。

出水キャスター:
いろんな物の値段が上がっているので「飲食費も抑えられたらいいな」という時代に合った戦略をきちんと取り入れているお店だということです。

つまり、今の時代は「“Agility” (アジリティ=機敏さ)、時代の風に帆を立てる」ことが大事であると言えます。

世の中の流れの情報を把握し、変化に柔軟に対応していく姿勢が大事になっていくんですね。