一直線だった茶の木が約8メートルもズレる
こうした中、大切に保存されている「モノ言わぬ証人」も。
岐阜市から約12キロ離れた本巣市。
(鷺谷教授)
「この風景をパッと見て何か気付きませんか?」
(桜沢信司気象予報士)
「まったくわからないです」
茶の木が途中で曲がり、農作業がしづらそうな畑ですが…

(鷺谷教授)
「Aさんの土地とBさんの土地の境界。もともと一直線だった」
なぜこんなことが起きるのか?
(鷺谷教授)
「断層がななめに走っていて、東西方向から押されていく。力がたまって…(ズレた)」
断層に対し左右から押された力で地震が起き、茶の木が約8メートルもズレたのです。地震のすさまじさを伝えるこの茶畑は、所有者の意志でそのまま残されてきました。

9月、南海トラフ巨大地震の30年以内の発生確率が「60~90%程度以上」と改定されましたが、実は濃尾地震のような活断層による地震のリスクも、見過ごせない状況なのです。
(鷺谷教授)
「統計的に南海トラフ地震が100~150年に1度起きる。その発生の前後何十年の間、内陸の活断層でも地震が起きやすくなる」