■「GT-R が買えそうです」詐欺の手口は?

 10月2日、札幌地裁では「GT-R」詐欺事件の初公判が開かれました。

詐欺の罪に問われているディーラーの元社員の男(29)

被告は、ディーラーの元社員の男(29)。

男は2024年4月、「GT-Rのキャンセルが出て、買えそうです」などと嘘の話を持ち掛け、36歳の知人男性から申込金として100万円をだまし取った詐欺の罪に問われています。

男は、初公判で起訴内容を認めています。

当時ディーラーに勤めていた男は、被害者の知人男性から「GT-R」を購入できないかと相談を受けていました。被害男性によりますと、男は「常務と知り合いです」などと嘘を言い、「これから常務と話してきます」と伝え、その直後に「購入できます」などと説明していたということです。

GT-R NISMO(画像提供・ビートレード)

しかし、実際は「GT-R」を新車で購入するためには、抽選で当選しなければなりませんでした。2024年に「GT-R NISMO」を購入できた男性を取材すると、当時、北海道では5台の抽選枠しかなく、購入価格は3300万円でした。

GT-R NISMO(画像提供・ビートレード)

男は、被害男性に「申込金として100万円が必要」と言い、個人口座に金を振り込ませました。また見積書を提示するなどして、被害男性を信用させていたのです。

だまし取った100万円はクレジットカードの返済に充てられていて、男は裁判で、「夜のお店で借金が広がっていった」と証言しました。