妻を殺害した罪に問われた元長野県議会議員・丸山大輔被告の控訴審判決で東京高裁は一審の判決を支持し、控訴を棄却しました。

記者リポート:「丸山被告は判決が言い渡されると、大量の汗をかき、水色のハンカチで何度も汗をぬぐうなど、動揺した様子が見受けられました」

東京高裁


東京高裁で開かれた控訴審判決は午前10時半から言い渡されました。

裁判長:「主文、本件控訴を棄却する」

目線を落とし、体を硬直させた丸山被告。その後、あふれ出る多量の汗をハンカチでぬぐいました。

殺人の罪に問われた塩尻市の元県議・丸山大輔被告51歳。

起訴状などによりますと2021年9月29日、自宅を兼ねた酒蔵の事務所で、妻の希美さん当時47歳の首を絞め殺害したとされています。

事件現場


長野地裁で行われた一審で丸山被告は事件当時、長野市の議員会館にいたなどと一貫して無罪を主張。

丸山大輔被告


犯行の目撃証言など直接証拠のない裁判で「犯人性」が争われましたが、長野地裁は「被告が犯人であることに合理的疑いは残らない」などとして懲役19年の実刑判決を言い渡しました。

丸山被告は東京高裁に控訴。

7月に行われた控訴審の初公判で弁護側は、改めて無罪を主張しました。

弁護人:「一審判決は長野市の議員会館と自宅を車で往復したという仮説を出発点として犯人だと認定したもので、先入観に基づく判断。明らかに不当である」

一方、検察側は控訴の棄却を求めました。

1日の判決公判で、辻川靖夫裁判長は複数の防犯カメラに映った車について。

裁判長:「被告が車両を運転し、議員会館と自宅付近を往復したとみた場合、時間的にも位置的にも整合するとした一審の判断に不合理な点はない」

一審判決の事実認定に誤りはないなどとして控訴を棄却しました。

征矢芳友弁護人:「納得できるものは一つもない。犯人であることから出発して矛盾なく説明できるとしている評価手法が納得できない。(丸山被告は)ショックを受けている様子だった」

弁護側は判決を不服とし、即日上告しました。