ロシアが占領するウクライナ南部ザポリージャ原発の外部電源の喪失が1週間続いています。ゼレンスキー大統領は「前例のない事態だ」として危機感を示しました。

IAEA=国際原子力機関によりますと、ザポリージャ原発は1.5キロ離れた場所での軍事活動により送電線が損傷し、9月23日に外部電源が喪失。その後、非常用のディーゼル発電機が稼働して原発の安全システムに必要な電力を供給し、原子炉と使用済み燃料を冷却しています。

ゼレンスキー大統領は30日、この状態が続いていることを受け、危機感を示しました。

ウクライナ ゼレンスキー大統領
「ザポリージャ原発での緊急事態発生から7日だ。前例のない事態で、危機的状況だ」

ゼレンスキー氏は「ロシアの攻撃のせいで電力が切断された」「ロシアの攻撃が修復を妨げている」と非難しました。

IAEAのグロッシ事務局長は、非常用発電機が機能しているため「差し迫った危険はない」としながらも、「持続可能な状況ではない」と懸念を表明しました。

外部電源の喪失は2022年のロシアによる侵攻開始以降10回目で、グロッシ事務局長は復旧に向け、ウクライナ、ロシアの両サイドと常時連絡をとっているとしています。