「個人情報を把握されるのは…」スマートシティの課題と対策
一方、スマートシティには課題も。NPO法人「中小企業・地域創生ネットワーク」の土屋俊博理事は、次のような点を指摘します。
▼プライバシー保護
過去には、Googleにあらゆる情報が把握されることへの反対意見が住民から出て、カナダのスマートシティの実験が頓挫した例があります。
▼倫理的な問題
自動運転などにおいて、AIが命に関わる判断を下すときの責任など(トロッコ問題)。
▼将来的なAIの暴走リスク
ただ、いくつかの課題には“解決策”も提示されています。
▼法律的な問題
日本では法規制が新技術の“足かせ”になることもありますが、国は茨城県つくば市や大阪府・市を「特区」に指定し、空飛ぶクルマなど新しい取り組みを進めています。
▼消費電力
データセンターの消費電力が大きいAIですが、消費電力が少ない「量子コンピュータ」の実用化が待たれています(計算速度は従来のコンピュータの10億倍)。
新しい研究開発にはリスクがつきものですが、そのリスクをどこまで許容するか…スマートシティにおいては、この「研究開発とリスクのバランス」が一番の課題だということです。日本では、開発担当(研究者・技術者)とリスク担当(政治家・行政職員)の間に距離があるため、両者の距離を縮め、理解しあうことが大切になってくると土屋理事は述べています。
(2025年9月26日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)