若者を中心に、県外への転出超過が4年連続で全国最多となった広島県。若者離れを解消しようとはじまった、ちょっと変わった異業種交流を取材しました。
ボードを使った水上アクティビティ、SUP(サップ)です。中国地方の魅力を紹介するWEBサイト、「HAMORUWA(ハモルワ)」の体験取材のため本川へと漕ぎだしていきました。

ハモルワとは、中国地方の人やグルメ、スポーツなど写真や記事、動画を使って紹介する「地元推し活サイト」。「地元とハモル」と「みんなで輪ワになる」を組み合わせ名付けました。2年前に中国電力が立ち上げ、主に若年層をターゲットにしています。去年のアクセス数はおよそ16万PVでした。

7月、中国電力本社でハモルワの特集記事について話し合われました。企画案を提案する2人、実は二人は中国電力の社員ではありません。会社の壁を越えて他社の業務やプロジェクトに参加する取り組み「ひろしまキャリアパスポート」で3か月間、ハモルワの制作に参加します。
徳重さんは「ひろぎん証券」入社5年目、現在は可部支店で投資アドバイザーとして営業をしています。個人を中心に300人を超える顧客を担当しているそうです。

ひろぎん証券・徳重友里さん
「この株価買ったから上がって、旅行とか行けたよとか報告があるとやっててよかったなって思います」
山根さんの職場は福山市の「ツネイシホールディングス」。120年以上の歴史を持つ常石グループ間の連携を担っています。山根さんは去年4月、入社しました。
ツネイシホールディングス・山根万理奈さん
「私は社外広報を担当してますので、リリースだったりトピックス、メディア対応とか、主にやらせていただいてます」

広島県は去年の転出超過が1万711人、4年連続で全国最多となり20代だけで6割を超えています。若者の転出超過対策について考えようと、中国電力やひろぎんHD、マツダ、そして県が旗振り役となり去年立ち上げたプロジェクト「HATAful(ハタフル)」。

今回の異業種交流はこのプロジェクトの一環です。ハタフルの参加企業は現在8社、徳重さんと山根さんは応募者15人の中から選ばれました。

ひろぎん証券・徳重友里さん
「期間は3ヶ月なんですけれど、ハタフル、ハモルワの一員となっていい記事が出せるように頑張っていきたいと思います」

徳重さんの上司 岡本巧副支店長
「ホールディング全体としては地域総合サービス部を目指すということで『未来を、広げる。』というキャッチコピーがある中で、広島に繋がった仕事ができる目を向けている関心があるっていうのがわかったっていうのはすごく嬉しい」

ツネイシホールディングス・山根万理奈さん
「自分のプラスにもなればいいと思いますし、これを社内にまた持ち帰って今後に繋げていけるようにできたらなと思うので」
山根さんの上司 坪島範明執行役員
「ツネイシの社風として、まずはやってみようみたいなところがあって、こういう話を頂いたらやれやれっていう感じなんですよね」

ハモルワで採用された企画はー『水上から広島を感じる!新定番のSUPを体験してみよう』海ではなく街中の川でSUPを体験しスタジアムや原爆ドームの前で写真撮影。川の街、広島をアピールしようという企画です。

中国電力の井出さんも加わり3人がSUPに挑戦です。ボードの上に立ちパドルを漕いで水面を進みます。15分ほどでボードの上に立つことができました。
指導「ぐらっとなったとき、頑張っちゃうと落ちるんですね、やばいとなったらかがむ練習」

井出さん、早くも慣れてきたようです。
カメラマン「上手ですね」
中国電力・井出梨紗子さん「有り難うございます。折角だから二人をたくさん撮ってあげてください」
バランスを取りながらエディオンピースウイングの横を通り、南に向かいます。30分ほどで世界遺産、原爆ドームに到着しました。

ひろぎん証券・徳重友里さん
「(世界遺産の前田が)見る余裕がなくて」
ツネイシホールディングス・山根万理奈さん
「なかなかこの角度から見ることがないので貴重な体験だと堪能しています」
最後はエディオンピースウイング前で記念撮影。
「ポーズでお願いします、皆さんポーズ。めっちゃいい笑顔」

ひろぎん証券・徳重友里さん
「楽しかったです。みんながSUPしてくれるような記事がかけたらいい」
ツネイホールディングス・山根万理さん
「実際にやってみて楽しかったというのをそのまま記事、文字にして伝えられたらいいと思います」
中国電力・井出梨紗子さん
「本当にこれが記事になるっていうのはすごくわくわくがありますし、とても楽しみですね、今から」
SUPを指導した西川さんも広島の魅力を伝える企画に期待しています。
ひろしまSUPクラブ・西川隆治代表
「広島の街、川の魅力がどんどんいろんな人に伝わって行くと、広島の若者が外に出たりすることが問題だったりしますけど、逆にこういった体験をしていただくことによってその街の魅力を再発見してもらって、広島はいいとこだなっていうふうに感じていただけるのかなと思います」

中国電力・牧野貴史マネージャー
「若年層の方がこの媒体を見ていろんな仕事があるんだなというふうなことで、地元への就業意欲の高まりに繋がっていければいいなと思っております」

取材後の会議SUP体験後の会議です。リモートで参加した2人は新しい発見があったと報告しました。

ひろぎん証券・徳重友里さん
「他の会社がこういうことやってるんだっていうことも気づくことができましたので今後どっかで役に立つだろうなって思いながら体験させていただきました」
ツネイシホールディングス・山根万里奈さん
「広い視野でいろいろ考えることが大事なんだなっていうところを勉強していただいたなと思いました」
スタジオ)
企業の間で人材交流する「キャリアパスポート」で職場の新しい魅力を発見、若者向けサイト「ハモルワ」で地元の魅力を伝える、この2つで若者の転出超過を解決しようとという試みを紹介しました。

SUP初体験レポートはHPで公開されました。写真や記事などで紹介されています。こちらのサイトは、「ハモルワ」と検索すれば見ることができます。