【記者解説】なぜ長期間の鑑定留置が必要だったのか

通常の鑑定留置は数か月で終了しますが、神奈川県の「津久井やまゆり園」で45人が殺傷された事件ではおよそ5か月間、京都アニメーションの放火殺人事件ではおよそ6か月となりました。
他の事件と比べても今回は長期間だったことが分かります。
なぜ長期間の鑑定留置が必要だったのでしょうか。
RKB 小松勝記者
「捜査関係者によると、平原被告には精神的な問題があり、自宅近くの住民への取材では騒音を立てたり奇声をあげたりする行為が確認されています。
一方で、捜査関係者への取材で平原被告が買い物の際におつりの小銭が少なくなるように計算して支払うなど、正常な判断力を示す行動も複数確認されています。
こうした状況から精神状況を慎重に調べるため長期間にわたる鑑定留置が行われました」
【記者解説】今後の裁判のポイント

RKB 小松勝記者
「一番の争点となるのは、事件当時の平原被告の責任能力です。
今回、責任能力があるとして起訴されましたが、責任能力がまったくない『心神喪失』と判断された場合は無罪に、責任能力が著しく衰えていた『心神耗弱』と判断された場合は刑が軽くなります。
裁判所が鑑定留置の結果などを踏まえどのように判断するのか注目されます」