「確かにその行為はしました」殺意は否認

事件発生から6日目。取材班が張り込みを続けていた時、事件は急展開を迎えました。
RKB 土橋奏太記者
「午前10時。捜査員が家に入っていきました」

抵抗せず落ち着いた様子で連行された平原被告。
当初の取り調べに対しー
「確かにその行為はしました」
2人を刺した行為は認める一方、殺意については否認していました。
事件当時、精神疾患の診断を受けていた

捜査関係者によりますと、事件当時、精神疾患の診断を受けていた平原被告。
取り調べ中に激昂したり、不可解な供述をしたりする場面もあったということです。

検察は平原被告の精神状況を調べるため、今年1月からおよそ3か月間、専門家による鑑定留置を実施。
しかし鑑定の結果、当時の精神状況と事件との関連については判然としなかったいうことです。
このため検察は今年4月、別の専門家による2回目の鑑定留置を開始。
2回にわたる鑑定留置の期間はおよそ8か月間に及びました。
約8か月間に及んだ2回の鑑定留置 専門家は「異例」
数多くの鑑定留置を行ってきた精神科医は、「今回の対応は異例」だと話します。

国立精神・神経医療研究センター病院 柏木宏子 医長
「起訴前の本鑑定が2回あることは珍しいと思います。かなり慎重に判断されたんだと。主に犯行時にどういった精神状態であったかが一番と、2つ目は精神障害があった場合、その精神障害が犯行にどのように影響したかがポイントになります」
今回、刑事責任能力があるとして起訴された平原被告。なぜ何の罪もない2人を襲ったのか。事件の真相解明は裁判に委ねられます。