■忘れられない瞬間 ― 2019年ルヴァンカップ決勝

プロのキャリアの中で、深井選手が最も印象に残っている試合として挙げたのは、2019年、クラブ史上初のタイトルをかけたルヴァンカップ決勝でした。
「ルヴァンカップの決勝というのは特別な試合でしたし、ウォーミングアップの時にスタジアムに入った時のコンサドーレサポーターの大歓声というのは本当に忘れられないです。すごく鳥肌が立ったのも覚えています」
その試合は120分の激闘の末にPK戦まで進みましたが、残念ながら敗れています。それでも深井選手はこの経験から多くを学びました。
「どんな状況でも諦めなければ奇跡が起こるというのを自分のゴールで体現できたというのは、サッカーを続けてきて良かったなというシーンでした。どれだけ格上の相手でも、自信を持って楽しみながらみんなで戦えれば、どんな相手でも勝てるチャンスはあるというのを自分たちのプレーで感じられた大舞台というのは、自分の中では忘れられない試合になりました」
■地元クラブでのキャリアに満足
札幌市出身の深井選手は、地元クラブで一貫したキャリアを歩んできました。小学4年からコンサドーレ札幌の下部組織で育ち、トップチームでプロキャリアを開始。「ワンクラブマン」として引退を迎えることになります。
「自分が育ったこのクラブでプロとしてキャリアを始めて、このチームで引退するというのは自分の中ですごく嬉しく思います。もしかしたらケガがなければという違う道も考えられましたけど、僕の中ではこのチームで始まって、ここで引退したというのは、納得というか自分の中では最高のサッカー人生だったなと思います」