■サッカーも勉強も…原点は「文武両道」

当時9歳の熊谷選手(本人提供)

サッカーをはじめたきっかけはお兄さん。

当時、チームのエースだったお兄さんと一緒に8歳でサッカーをするようになり、熊谷家はサッカー一色になりました。

小学校のサッカー少年団に女子唯一のプレーヤーとして所属。大勢の男の子たちとともにサッカーに明け暮れました。

当時のチームメイトは「小学校のときも今と同じように背も高くて、サッカーテクニックもあって、チームで1番、2番を争う上手さでした」と話します。

中学校に入ると、女子サッカーのクラブチームに所属しますが、一方で通学する中学校の男子サッカー部にも所属。「サッカーの二刀流」で更に技術に磨きをかけました。

ですが、その一方で教師だった両親からは「好きなことをするからにはやるべきことをやりなさい」と教え込まれたといいます。

「どんなにサッカーで疲れていても、塾を休むことは許されませんでした。でも時間のない中での勉強の仕方や、集中力はそんな中で身についたものだと思います」と熊谷選手は振り返ります。

高校は女子サッカーの強豪校である宮城県の常盤木学園にサッカー留学で進学。学年の成績トップだけが集まる特別クラスに入りました。

寮生活をしながら、文武両道をきわめて、筑波大学に進学します。

高校2年生で日本代表にも選出され、高校卒業と同時に浦和レッズレディースに入団を果たしました。

2011年のワールドカップ後、ドイツのフランクフルトよりオファーを受けて、苦渋の決断の末、筑波大学を中退して世界に羽ばたきました。

両親から伝えられた「文武両道」が今の熊谷選手のベースにつながっています。