東京2025世界陸上では、4連覇となった200mと4×100mリレーの二冠を果たし、ファンのハートを鷲掴みにしたノア・ライルズ(28、アメリカ)。前回大会三冠(100m・200m・4×100mリレー)、パリオリンピック™の100m王者として臨んだアメリカ短距離界のエースが、そのパフォーマンスで連日、国立競技場を震撼させた。世界最速アニメオタクのムーブで観るものを夢中にさせていく。「もっと速く」を求める最速への準備とは。レースでのメンタルとトレーニングへ取り組みを大会前のインタビューで存分に語っていた。

Q.パリオリンピック™前までなにを考えていましたか?
ライルズ:
そのころの自分が世界最速だったと思います。もちろん五輪に行く前にいくつか修正したいこともありました。100mをもう少し速く走りたかったし、200mを走ろうともしました。けれども、100mタイトルが優先でした。

パリ五輪では100mにフォーカス「世界最速と認められる」

100mのタイトルを自分のものにする事でそれが皆が求めていた事だし、世界最速と認められるようになります。なので100mの集中する事にしました。100mが良くなれば、自然と200mは良くなります。

Q.パリ五輪の100mを振り返ると

ライルズ:ゴールラインをどこでこえたかわかりませんでした。
外に出てきて、ピストルがなり、スタートして最初の10mは、選手たちはこの10mで出来るだけ頑張って、自分より先に行こうとしているのを知っていたので、離れないようにして…。20~30mくらいで自分に「頑張りどころだ、ギアを上げるんだ」と言い聞かせて走りました。そうすると、皆は離れないで同じ位置のまま進みました。60mになって、先頭を走る選手達との差を縮めていきました。80mになって、先頭集団にいるのはわかりましたが、自分がリードしていませんでした。90mになって、ゴールでディップ(前傾斜)しないといけない。でないと勝てないと考えました。
95mになって、パーフェクトなタイミングでやらないと。得意だから出来ると考えて、今がその時だと。ゴールでディップして、ゴールラインを通り過ぎました。ほかの選手と同じように、自分の名前が一番に出るのを待っていました。