ここからは、5人の候補者たちが掲げる政策を、
(1)物価高対策
(2)外国人政策
(3)党改革
の3つの視点から比較した。
高市早苗 前経済安全保障担当大臣(出馬会見前の公約見通し)

(1)物価高対策
今年7月の参院選の際には「食料品に限って消費税をゼロに下げるべき」という意見も持っていたが、今回の総裁選では消費減税に関しては「時間がかかる」として、現時点では打ち出さない方針。ただし、選択肢としては排除しない姿勢だ。
(2)外国人政策
経済安全保障担当大臣を務めた際にも尽力した「セキュリティ・クリアランス」の観点から、国益を守るための「スパイ防止法」を打ち出す見通し。
さらに、移民が増えていく流れの中で、外国人問題に対応する司令塔機能の強化も訴える。
(3)党改革
「適材適所の人事システムを早期に作っていく」と去年の総裁選でも発言していて、期数や派閥にこだわらない能力主義の考えは今も変わらないだろう。
前回の総裁選では靖国神社参拝について明言し、それが決選投票で票を伸ばせなかった一因とも言われていたが、今回は「そういった発言はしないようにしている」と陣営は説明しているという。
小泉進次郎 農林水産大臣(出馬会見前の公約見通し)

(1)物価高対策
最重要テーマに掲げているので何かしら打ち込んでくる見通し。石破内閣の現役閣僚であるため、大きな方向転換はなく、消費減税については盛り込まない見通し。
(2)外国人政策
「治安の不安と向き合う」と言及しているという。どういう政策になるかはまだわからないが、こちらも何かしら盛り込む見通し。
(3)党改革
陣営に若手・中堅議員が多いこともあり、積極的な若手登用によって党の刷新を図るのではないかといわれている。
前回の総裁選では選択的夫婦別姓制度の早期導入などリベラルな政策を打ち出したことが敗因になったとの見方もあり、今回はそういった“踏み込んだ”政策は控える見通しのようだ。
応援団には加藤勝信財務大臣や野田聖子元総務大臣など実力者が名を連ねる。また、現職閣僚ということもあり、石破総理を前回支持した人で、今回は小泉氏の支持にまわる、という声も聞こえてきている。
林芳正 官房長官

(1)物価高対策
現政権ナンバー2、さらに岸田内閣から官房長官を務めていることもあり、基本的に今の路線を引き継ぐ方針。消費減税については「消費税は社会保障の重要な財源なので、税率を下げることは適当ではない」と否定的な姿勢を示している。代わりに低中所得者世帯への支援を打ち出し、世帯人数などに基づくそれぞれの“負担感”に応じた支援策を検討するという。
(2)外国人政策
現政権では内閣官房に外国人政策の司令塔組織を置いており、そのトップである官房長官として、現在の方針からそこまで変えることはないだろう。インバウンド増加を想定した制度設計の見直しを進める考え。
(3)党改革
「聞く力」の重視。国民の意見を吸い上げていくために「デジタル国民対話プラットフォーム」の設立を掲げているが、具体的な内容はまだ明らかになっていない。今後の説明に注目だ。