■「ガソリンスタンドはライフライン」その現状は・・・
大崎市鹿島台にある1962年創業のガソリンスタンド。

大崎市内でも価格競争が繰り広げられています。
鈴掛石油 尾口博己代表取締役:
「鹿島台は宮城県の中でも市況が安い地域に入っている。隣の町に、M&Aによって安売りする業者が入ってきたことによって、この夏から一気に大崎の市況が5円くらい下がった」

こちらの店では、レギュラーガソリンを現金価格▼157円で販売していますが、1リットル当たりの利益は▼10円にも満たず厳しい経営状況が続いているといいます。
鈴掛石油 尾口博己代表取締役:
「今の仕入れからいうと200円くらいいってしまう。それが政府からの補助金によってこういう値段になっているが、もう10円ちょっとは欲しい。不当廉売という、業界でそこまで安くしてはいけないという決まりがあるが、そのグレーゾーンのところで皆さん勝負しているので、そういったところと一緒にやったら本当につぶれてしまう」

地場のガソリンスタンドとして、人件費を削ることはできないため、節電などできる範囲での経費削減を行い、この状況を乗り越えるしかないと話します。
鈴掛石油 尾口博己代表取締役:
「設備や客の年齢層の高さなどもあり(自身で給油できない客など)手助けが必要。消費電力が安いものにしたり、無駄な暖房はこまめに消すなど小さなところから削っているが、限界も。ライフラインの一つなので、エネルギー産業として拠点ごとにガソリンスタンドは絶対今後も必要な場所だと思う」

安値の裏には、大変な苦労がありました。
地域のインフラとして、近所のガソリンスタンドが欠かせないということを、東日本大震災の時、宮城県民は経験しています。近年、県内のガソリンスタンドの数は減少が続いていて、消費者も安易に安値を歓迎するだけではいけないのかもしれません。