現場で見た“担い手不足”

調査員には臨時国家公務員として報酬が支払われる。顔なじみの住民がやれば、訪問のハードルも下がるし、実際地理に詳しいので初見の人がやるよりは早く作業が進む。メリットはあるが、現役世代にとっては勤務や子育てと並行して時間を確保するのが難しい。
一方で高齢者世代にとっては…。
「膨大なマニュアルを読むのが大変」「書類など番号で管理するので間違えないか不安」「インターネットでの申請を案内するが、そもそもそのやり方を自分が理解していない」などマニュアル理解やデジタル対応が壁となっている。手放しで喜べる仕事ではない。
ちなみに、私が参加した調査員説明会では、平均年齢はおそらく75歳前後。広島市政策企画課に調査員の平均年齢を聞いたところ2020年国勢調査では、広島市の国勢調査員の平均年齢は64.4歳だったそうだ。「国の最も重要な統計」が、実は地域の高齢ボランティアに支えられているのが現実だ。