「“軽装登山”と“写真映え”での滑落が増加」遭難者数・件数ともに過去最多

井上貴博キャスター:
警察庁によると、2025年7月と8月に全国で発生した山岳遭難について、▼発生件数は808件、▼遭難者数は917人だということです。

いずれも統計開始の1968年以降で過去最多となりました。

急斜面を登る過酷さはもちろんですが、連携を図った訓練の状況は、なかなか見られないものでした。

山岳救助隊を取材 深瀬音々 記者:
今回、初めて登山をしましたが、「どんな山でも甘く見てはダメだ」と強く感じました。

今回は訓練の山なので悪路でしたが、皆さんがご存知の有名な山でも、一歩踏み外すと悪路が広がっています。

そういった環境で、「ケガをして動けなくなってしまったら」と思うと、改めて「舐めてはいけない」と感じました。

東京消防庁の渡邉教官によると、要救助者の中には、近年サンダルやヒールで登山をしてケガをした▼「軽装登山」、▼「写真映え」など撮影に夢中になって滑落してしまったケースが増えているそうです。

観光客が多い山は、一見簡単に登れそうで油断してしまいがちですが、そういう山だからこそ、気を引き締めなければならないと感じました。

井上キャスター:
比較的登りやすいと言われている高尾山もそうですし、一方で難しい富士山など、全国各地で遭難者が増えています。そういった状況から、「救助費用を自己負担にすべきじゃないか」と、各自治体で議論がなされています。

費用の問題ももちろんですが、それ以上に現場の皆さんが命がけで、救助してくださっていることも、どうにかお伝えできないものかと思いました。

陸上100mハードル 元日本代表 木村文子さん:
私も訓練している現場を初めて目にしました。普段一緒に働かれていない方たちが、連携を取ること自体難しいことだと思います。このような訓練に時間を費やしてくださっていることを再認識しました。