三菱UFJ銀行の貸金庫から客の金塊などが盗まれた事件の裁判で、窃盗の罪に問われている元行員の女に対し、検察側は懲役12年を求刑しました。

三菱UFJ銀行・元支店長代理の山崎由香理被告(47)は、顧客が貸金庫に預けていた現金や金塊などあわせて3億9000万円相当を盗んだ罪に問われています。

きょうの裁判で、検察側は「立場を悪用し、巧妙かつ狡猾に犯行に及び、財産的な被害結果は甚大」と指摘。「顧客の信頼を裏切る非常に悪質な犯行で、金融全体の信用を揺るがしかねない」として山崎被告に懲役12年を求刑しました。

一方の弁護側は「事案解明に積極的に協力し、真摯な反省は口だけではない」などとして、懲役5年が相当だと主張しました。

裁判の最後、涙ながらに意見陳述した山崎被告は、「社会的信頼の低下を招いて申し訳ありません」「被害者の気持ちを一生忘れることなく、罪を償って、少しでも多くの弁済に向け、堅実にまじめに働いて早期に社会復帰したい」と述べました。

判決は10月6日に言い渡されます。