水俣病の症状があるにも関わらず認定されていないと訴え、損害賠償を求めている約140人の控訴審が始まりました。
今日(17日)、福岡高等裁判所に原告や弁護団が集まりました。
「団結がんばろう」
約140人の原告は、水俣病の症状があるものの認められず、救済の対象から外されたと訴え、国や熊本県、原因企業チッソに1人あたり450万円の損害賠償を求めています。

去年3月の熊本地裁判決では、原告のうち119人は水俣病とは認められず、25人は水俣病と認定されたものの損害賠償を請求できる期間が過ぎているとして、全員の訴えが棄却されました。
「熊本地裁は水俣病被害者の救済に背を向けました」
この判決について、九州弁護士会連合会は被害者の切り捨てだと非難しました。

三角恒弁護士「被害の実態がある限りは救うべき で、期間を区切らないことに大きな意味がある」
そして今日17日、控訴審の法廷で原告団長の森正直さんは、原告の高齢化が深刻だとし「私たちには時間がない。裁判所にリーダーシップを発揮してほしい」と訴えました。

一方、被告側は熊本地裁の判決は正当だとし「控訴は速やかに棄却されるべき」としています。
原告側は和解を目指していますが、今のところ双方の考えに溝があります。