庭やプランターの植物にも要注意!

(東洋産業 大野竜徳さん)
「〇庭やプランターでも油断しない
園芸植物にも強い毒を持つ種類があります。たとえば、よくあるのが、スイセンをニラと間違える事故」【画像③】

【画像③】花のない時期は見分けがつきにくい

「庭やプランターで育てているものでも、食用の植物には名札を付け、管理を徹底しましょう。『身近なものは安全』という思い込みは危険です。庭で知らない植物を食べて中毒…という事例は少なくありません。

勝手に生えた植物を『ラッキー』と食べるのは避けましょう。

〇SNSや動画の情報は要注意
動画や投稿の中には、毒を持つ植物を無理やり食べたり、危険な処理法を紹介していたりするものもあります。

『まねをしないでください』などと注意をしているものもありますが、動画を読み飛ばして失敗する事故もあるため、安易に真似をしないことが大切です。

〇下処理せず味見しない、まずは少量から
加熱や天日干し、ゆでこぼしなどでは毒が消えない場合も多くあります。確実に食べられると判断した上で調理を行い、まずはごく少量を口にして様子を見ましょう。

最初は飲み込まず吐き出すくらいの慎重さがおすすめです。迷ったら口にしないのが鉄則ですが、飲み込むのも少量から。

体調は24時間観察して異常がなければ、このくらいの量で急性毒はなさそうと判断します。調理後に味見をして、問題がなければ少しずつ量を増やしましょう。

そもそも野草やキノコはお腹いっぱい食べるものではありません。

〇体調異変時は食べたものを持参して受診
もしも口にして、腹痛や吐き気が起こったらとても残念です…。症状が軽くても油断せず、できるだけ早く医療機関へ。

自然に回復に向かえばよいですが、毒によってはそうはいかないものも多数あります。診療時には実物や写真を持参すると診断の助けになります。

軽い食中毒と侮ることなかれ。秋は山も里も美しく、自然の恵みを味わいたくなる季節です。しかし、誤食事故は毎年報告され、命にかかわることもあります。

あくまで野草やキノコはプラスアルファ。
口にしなくてもいいものを興味本位で口にして、体調を崩すのは自分が苦しいだけでなく、周りの人を悲しませ、迷惑をかける行為と紙一重かもしれません。

『知らないものや迷ったものは、採らない、食べない、もらわない、あげない』
このシンプルなルールを守るだけで、リスクは大幅に減らせます」

まずは見て、聞いて、触れて、香りを楽しむことから始め、知識と経験を積んでから“味わうデビュー”をしましょう。