9月6日、「がん」の闘病中に52歳で亡くなった元衆院議員の石川知裕さん。「政権交代」が再び現実味を帯びてきた中での旅立ちでした。
自転車から手を振る石川知裕さん。若さと情熱が魅力の人でした。
松木謙公衆院議員
「最後、(石川さんから)電話来て『ちょっと難しいわ』と言うから、『難しいったってまだ生きてるんだから最後まで粘れよ』と。もうちょっと長生きしてくれれば…いい顔してるわ」
自民党を2度下野させた、政治の師匠も駆けつけました。
小沢一郎衆院議員の弔辞
「(当時の政府・検察の)不当な行使に巻き込まれてしまって、大変つらい思いをさせたことに対し、申し訳ない思いをずっと自分の心には持ち続けてきた」
石川さんは、小沢一郎衆院議員の秘書を経て、2007年、衆院議員に繰り上げで初当選。
石川知裕さん(2005年8月・北海道帯広市)
「日本一広い(足寄)町で生まれた男が今、日本一強いと言われる政治家にぶつかろうとしています」
2009年の衆院選では、政権交代を実現し、中川王国と呼ばれた十勝地方で自民党から議席を奪いました。
鈴木宗男参院議員
「一時代は築いたなと。ただ、まだ52歳ですから、あと10~20年は頑張れた年だから」
しかし、翌年2010年、小沢氏の政治資金をめぐるいわゆる「陸山会事件」で、かつて、事務担当者だった石川さんが逮捕されます。
議員辞職して最高裁まで闘った裁判も有罪が確定し、3年間、公民権が停止されました。
小沢一郎衆院議員
「とにかく、彼は家族同然というか、息子みたいな存在だったから」
2017年の衆院選では、公民権停止の解除が2週間に間に合わず、代わりに出馬した妻・香織さんの当選を支えました。
石川知裕さん(2019年・北海道知事選挙時)
「奇跡って努力の延長線上にしかない。突然奇跡が起こるなんてことはない」
その後、2019年の知事選、2022年の参院選に挑戦しましたが、落選が続きました。
妻・石川香織衆院議員
「政治の神様が嫉妬するくらいすごい政治家だったと思っている。バッジをつける姿は見たかったが、それ以上に記憶に残る政治家だったのでは」
衆参での与党の過半数割れで、政権交代の現実味も帯びる中、石川さんが目指した次の参院選での国政復帰は叶いませんでした。