自動車メーカーが、燃料になる巨大な植物の栽培を始めました。エンジン車にそのまま使えるという「バイオ燃料」。その開発現場を取材しました。
この土地で今、未来のエネルギー事情を変えるかもしれないある“植物”が栽培されています。
記者
「こちらトヨタ自動車が生産している『ソルガム』という植物なのですが、すでに私の身長の2倍以上ありますが、これからまだまだ伸びるということです」
「ソルガム」はイネ科の作物で、長い茎の部分は食用ではありません。成長が早く、痩せた土地でも育つため、低コストで大量生産ができるといいます。この植物で、新たな「バイオ燃料」を作るというのです。
そもそも「バイオ燃料」とは、植物などから作られる燃料のこと。燃やせば、当然、二酸化炭素が出ますが、原料である植物が光合成により吸収するため、“実質二酸化炭素を出さない燃料”として期待されています。
トヨタ自動車 中嶋裕樹 副社長
「(日本は)街中には、たくさんガソリンスタンドもありますし、非常に早く展開できるというアドバンテージがあると期待して、開発をしている」
民間での開発が進む中、きょう、大阪では万博と連携した「持続可能燃料の閣僚会議」が初めて開催されました。
武藤容治 経済産業大臣
「(バイオ燃料は)エネルギー安全保障の観点からも、その役割は重要である」
一方、すでに実用化が進むバイオ燃料もあります。
マツダなどは、使用済みの植物性の食用油を原料にしたバイオ燃料に取り組んでいます。開発された燃料は軽油に混ぜる形で、すでに一部の企業で使われています。
ただ、現在の価格は軽油のおよそ3倍、いかに需要を拡大してコストを下げられるかが課題です。
マツダ 小島岳二 専務
「液体燃料自体は必ず残るので、カーボンニュートラル燃料の普及は必須だと考えている」
二酸化炭素を出さない社会へ。EVが注目される中、エンジン車で挑む動きが日本で加速しています。
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