東日本大震災で心に傷を負った被災者を支えてきた「みやぎ心のケアセンター」が、9月いっぱいで事業を終了します。
事業は今後、各市町村に移行して継続されることになりますが、これからも、きめ細かい支援を続けていくために民間団体などの関係機関との連携がより重要となってきます。

みやぎ心のケアセンター 福地成(ふくちなる)センター長:
「いろいろなストレスの中の一部に震災がおそらくある。そこが原因になって、いろいろな症状になっている人はいるかと思う」

震災後に設置されたみやぎ心のケアセンター。

仙台と石巻、気仙沼に事務所を置き、精神保健福祉士など専門の職員が、被災した人の心の相談を受け付けてきました。

宮城県は、国からの交付金が2025年度で終了する見込みであることに加え、相談件数が減っている状況も踏まえて、9月いっぱいで事業を終了することを決めました。

みやぎ心のケアセンター 福地成センター長:
「(支援を)必要としている人が減っているということではなくて、計画的に市町村とか保健所にシフトしていこうと考えて動いてきているので、かなりの数は、保健所に(相談が)行っているのでは」

今後、センターが担ってきた業務は、各市町村に引き継がれます。
福地センター長は、これまでも、地域と人をつなぐことが役割だったと話します。

みやぎ心のケアセンター 福地成センター長:
「私たちのやってきたことは特別なことではない。本来であれば、地域ベースでどんな人でも取り組めるようになってほしい。(センターが)無くなってしまうともったいないとかいう感覚は、ほとんどなくて、やってきたことが地域の人に引き継がれて、普通のこととしてやれるようになれば」

センターで経験を積んだスタッフの多くは、今後も県内各地で心のケアの仕事に携わるということです。