消防隊員2人が死亡した大阪・道頓堀のビル火災で、延焼の要因になったとみられる壁面広告をめぐって新たな事実が分かりました。

 8月18日、大阪市中央区宗右衛門町でビル2棟が焼け、消防隊員2人が死亡した火災。警察などによりますと、西側ビル1階の室外機付近で火が出たあと、壁面広告をつたって建物上部へ一気に延焼。その後、隣接する東側ビルに延焼したとみられています。

 この壁面広告をめぐって2つ新たな事実がわかりました。

 大阪市によりますと、西側ビルの上部に設置されていた食品会社の壁面広告は、市の屋外広告物条例に基づいて今年2月末までを期限に設置許可が出されていました。しかし更新手続きは行われず、火災当時は許可の期限が切れた状態だったということです。

 食品会社はMBSの取材に対し、「一切答えられない」としています。

 さらに、西側のビルの壁面に焼け残った金属のフレームは、広告が取り付けられていた土台部分です。市によりますと、この土台は食品会社が2012年に初めて広告を設置する際にはすでに取り付けられていました。しかし建築確認の申請の記録がなく、誰が、いつ設置したのか、法律(建築基準法)に基づく建築確認が行われたものかが不明な状態でしたが、大阪市は「改修時には必ず建築確認を受けること」などの条件をつけて広告の設置を許可したということです。

 火災発生の数分後には激しく焼けていた壁面広告について、食品会社は防炎の素材を使用したと説明しているということですが、素材が法律で定める「20分間燃焼しない不燃材」を満たすものだったかなど広告設置の経緯について、大阪市が慎重に調べています。