「はじめまして。ご挨拶よろしいですか?」

ビジネスの基本マナー「名刺交換」。手にした「名刺入れ」は自分の印象を左右する重要なアイテムです。今回のしずおか産は、伊豆で誕生、蝶番を使った「名刺入れ」です。

9月3日、東京でのイベントに出品展示されました。

<来場者>
「実際に開けてみるとパカパカ、昔の携帯電話みたいな感じで蝶番の存在感がしっかり入っている」

静岡県伊豆市で80年にわたって金属部品を加工する伊藤金属総業。

東部総局 竹川知佳記者>
「蝶番はいろんなものがあると思うんですけども、これまでどのぐらいの種類のものを作られてきたんですか?」

<伊藤金属総業 伊藤徹郎社長>
「よく聞かれるんですけど、数千種類の蝶番を作っていることになると思います。実はみなさんの知らないところでこんな形をした蝶番も使われています」

蝶番は扉やふたなどに取り付け、スムーズに開け閉めできるようにした金具です。この工場では、年間約100万個製造しています。

<伊藤社長>
「地域のものと何かをつなげて新しいものを生み出したい。そういう思いがあった中で、まさか本当に(蝶番が)名刺入れになるとは考えていませんでした。革製品とそもそも蝶番が繋がるということも全く想像していませんでした」

「蝶番でおしゃれな雑貨を作りたい」という伊藤社長の思いを形にしたのは、伊豆市の革職人でした。

<竹川記者>
「わ、すごい。たくさん革小物がありますね。全部、松本さんが作られたんですか?」

<松本天太さん>
「はい、全部自分が作りました」

松本天太さんは、靴作りの専門学校を卒業後、3年前に伊豆市に移住。今は猟師をしながら鹿や牛などの革を使ってバッグや財布などを製作しています。

<松本さん>
「蝶番を使ってものづくりをしたことがなかったのでその話を聞いた時にはワクワクしました。蝶番のギミックというか、スムーズな開閉というところがすごくしっくりきて、もうこのまま名刺入れを作ろうということで何回か試作を行って、ちょうどいいバランスの名刺入れができたと」

名刺入れの蝶番には、熟練の技が光ります。

<竹川記者>
「今回、(名刺入れ用に)どういった製品を作ったんでしょうか?」

<伊藤社長>
「(金属の厚みが)元は1.6ミリだったものを今回は1ミリにしているので0.6mm薄くなっています」

<竹川記者>
「両方持ってみてもいいですか?かなり重さが変わるんですね」

「真鍮」でつくった蝶番。革と共に時が経つほどに風合いが増します。「名刺入れ」を手にした時の感触を良くしようと本体には「鹿の革」を使っています。

<松本さん>
「鹿革の特徴として滑らかさはすごく触ってもらうと感じてもらえる」

<竹川記者>
「すごいすべすべしているんですね」

<松本さん>
「手触りすごくいいですよね。ずっと触っていたくなるような滑らかさを持っています」

「ジビエレザー」とも言われる野生動物の革。貴重な革を使うからこそ丁寧に仕上げたいと松本さんはいいます。

<松本さん>
「手縫いの場合は1本で縫うので、もし、ステッチが切れてもそこで止まってくれるので耐久の面でも手縫いの方が優れているかなと思っています」

<伊藤社長>
「人と人が繋がる最初の場面で活躍する名刺入れが今回であれば伊豆の鹿革であったりとか、他にも伊豆に名物、名産品があるんですけど、そういったものとつなげて新たな魅力が生まれればいいと思っています」

【商品情報】
「TunagaR名刺入れ」2万2000円(税込)
問合せ:伊藤金属総業ECサイト
電話:0558-72-0604