ウクライナ・キーウ州のブチャで殺害された多数の民間人の遺体が見つかったことについて、JNNは、ロシア軍の関与の疑いをさらに強める映像などを独自に入手しました。このあと流れるVTRには遺体の映像が含まれます。
JNNのクルーが取材に入ったのは、首都キーウ近郊の町、ブチャ。首都陥落をもくろんでいたロシア軍によって占領され、連日激しい攻撃にさらされました。
記者
「ブチャの市内、住宅街ですけれども、この辺りは両側の建物ほとんど完全に崩れ落ちています。こちら民家だったと思われますが、車の窓ガラスは完全に破れ、タイヤも燃え尽きていて車両が完全に破壊されています」
ロシア軍は先月30日まで1か月以上にわたってブチャを占領。そして、完全撤退のあと、至る所に市民の遺体が放置されていることがわかりました。自転車に乗ったまま倒れている遺体も・・・。
記者
「ブチャのこちらの道路では、ロシア軍が撤退した後、数多くの遺体が見つかりました。こちらには自転車が残されていますが、この自転車の近くでは遺体も見つかっています。バッグや中に入っていたと思われるチョコレートや携帯の充電器など、一般市民の方が犠牲になったことがわかります」
ロシアのプーチン大統領は、12日に行った侵攻後初めての会見でブチャでの市民殺害は「フェイク」だとして、ロシア軍の関与を真っ向から否定。
また、ラブロフ外相はこんな主張を。
ロシア ラブロフ外相
「遺体はロシア軍撤退後に置かれたものだ」
一方、衛星写真を分析したイギリスBBCなどは、“先月19日には複数の遺体を確認した”とし、ロシア側の主張の矛盾を指摘し続けています。
こうしたなかJNNは、ロシア軍による関与の疑いをさらに強める画像と映像を独自に入手しました。
ビクトルさん
「見て、ちょっと見えづらいかも。ここに日にちが書いてある。3月5日、自転車がまだ倒れている」
取材に応じたのは、少なくとも7人の遺体が見つかった通りに面した家に住むビクトルさん(59)です。
ロシア軍の占領下で先月11日まで、自宅の地下室で妻らと身を潜めて生活していたビクトルさんは、時々2階に上がって外の様子を撮影していました。
ビクトルさん
「次の遺体の写真、3月6日だった。全部の写真に日にちがある。動画は3月7日」
これがその動画。ロシア軍が撤退する3週間以上も前の先月7日にビクトルさんが撮影したもので、6人の遺体が映っています。「遺体は撤退後に置かれた」というロシア側の主張とは明らかに矛盾しているのです。これをBBCが検証に使った衛星画像と比較してみると、遺体が置かれている位置も一致しています。
ビクトルさんは自宅横にある小屋の2階で動画を撮影。遺体についてビクトルさんの妻もこう証言します。
ビクトルさんの妻
「遺体はこの道のどこにでもありました。ここでも人が殺されていた。あそこ、あそこも、あそこも、この道の前にも」
さらにロシア軍は、近くの空き家を基地として使用していたといいます。車庫の扉にはロシア軍のシンボルとされる「V」の文字や、ロシア語で書かれた缶詰が放置されていました。
ビクトルさん
「もちろん僕もロシアの命令に従わずに動いていたら、きっと殺されていただろう。目撃者もなく、あいつらはウクライナ軍に(私が)殺されたんだと言っていたはずだ」
ビクトルさんの妻
「避難するために外に出ることすら怖かった。殺されると思った」
キーウ州全体での死者は1200人に上るとされ、ウクライナ当局は徹底的に調査を行い戦争犯罪の立証に臨む構えです。
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