北関東で見つけた100円グルメ!お茶目なママが手作りする70種類以上のお惣菜や、イベントを見ながらお祭りメニューを楽しめる激安店。なぜ100円でお惣菜を提供できるの?大量のお惣菜をどうやって作るの?経営は成り立つの?物価高でも値下げしない理由を徹底調査しました。

■止まらない物価高の救世主!惣菜全品“税込み100円”の店

止まることのない物価高。8月も冷凍食品やアイスなど、1400品目を超える食品が値上げとなりました。

そんな中、ジューシーな焼肉や具だくさんの鍋など、超破格の“100円グルメ”が探せばまだまだあるんです。今回、そんなお店を北関東で発見しました。

向かったのは茨城県那珂市。夏はひまわり、冬は白鳥が飛来する自然豊かな土地が魅力の那珂市で見つけたのは、創業から約30年の「居酒屋 風音」。

一体、どんなグルメがあるのか。お店を覗いてみると、テーブルを埋め尽くす大量のお惣菜。

たっぷりの豆腐を使った甘辛い麻婆豆腐や、豚肉やきくらげなど6種類の具材が入った野菜炒め、ひき肉を甘く炒め卵をまるごと乗っけたロコモコ風丼など、70種類以上のお惣菜が
すべて税込100円で買うことができるのです。

「風音」の営業は11時から。店内はお惣菜を求める多くのお客さんで大盛況です。箱いっぱいに商品を詰め込んでいる男性は、昼・夜の2食分のおかず14品をお買い上げ。

男性客
「ナスと味玉と切り干し大根とナポリタン、いっぱいです。これで1400円、安いですよね」

女性客は、ナポリタンやオムライスなど700円分を購入。夕飯の足しにするそうです。

さらに、小学生のお子さんを持つ女性客は、コスパ最高の利用法を実践します。

女性客
「12個、めっちゃ買っちゃった。嬉しいです。きょうご飯作らなくて済みます」

なんと、家族3人分の夕飯全てを揃えて「風音」でお買い上げ。1人400円と抜群のコスパです。

そんな超激安なお惣菜を作っているのは、名前も年齢も秘密の風音ママ。実は本業は居酒屋経営。お客さんとの何気ない会話や喜ぶ顔が好きで、ランチの100円お惣菜の販売を始めたそうです。

お客さん「小さい子いると、作るの大変で」
風音ママ「そうよねぇ。暑い日は嫌でしょ」

しかし、何故100円でお惣菜を提供できるのか。

風音ママ
「あたしつくったジャガイモだよ」

自宅で野菜を収穫したり、経営する居酒屋の常連さんから食材のお裾分をしてもらうことで、100円お惣菜を実現しているんです。

■開店までに作った惣菜はなんと78種類!驚異的な仕込みに密着

70種類以上の料理を作るのはお見事。お茶目な風音ママが大量のお惣菜をどうやって作っているのか、調査しました。

この日の仕込みは、午前4時からスタート。娘さんと2人で午前11時の開店に向け、準備します。

二つのコンロで、70種類以上の料理を捌く風音ママ。まずは人気メニューの野菜炒めを作ります。自宅で採れた玉ねぎに、食感UPのキクラゲがポイントです。

完成すると、この野菜炒めを使い、さらにもう一品作るそうです。

風音ママ
「だからこれ(野菜炒め)を分けるの、2つに。2種類できるの、時短でしょ」

完成した野菜炒めに、中華だしをダイレクトに投入。とろみを加えれば、あんかけに早変わりします。焼きそばと合わせることで、あんかけ焼きそばに変身させました。

風音ママ
「頭の中で3つか4つ先いってるの。次なに作ろうかさ、何と何組み合わせようかさ」

ママが料理を作れば、すかさず娘さんがパッケージ。親子の見事な連携プレイで、料理を作ること6時間。この日作った数は78種類。

一品当たり、なんと4分30秒で作る計算になります。居酒屋と週3回のランチ営業は、この先も続けていくそうです。

風音ママ
「休むと具合悪くなる。マグロ」

■「お客さんを驚かせたい」薄利多売で勝負する店主の思い

続いて、向かったのは栃木県佐野市。ここで見つけたお店「カフェジェラオカ」は、その安さからお財布に優しいと家族連れに大人気。

お客さん
「安いなって思いますよね。商売として成り立つんだろうかって、心配はありますけど」
「自分がもし経営するってなったら無理ですよね、この価格」

オリジナルブレンドのスパイスを使った自家製チキンカレーや、栃木の老舗が手がけるソースを使った焼きそば。毎月最終土曜日は、ほとんどのメニューが100円になるなど、超激安になるんです。

さらにこちらのお店では、毎週末、ご当地アイドルやパフォーマーなどを呼び、大人から子供まで楽しめるイベントを開催しています。

そんな、グルメもイベントも楽しめる「カフェジェラオカ」を切り盛りするのが店主の岡建典さん。

カフェジェラオカ 岡建典 店長
「お客さんにビックリしてもらうのが、自分の喜びといいますか。生活できる分のお金さえあればいい。利益はあんまりないですね、100円ですので」

その信条は薄利多売。とにかく集客するためにイベントを開いているのだそうです。

実は店主の岡さんはイベント運営が本業。コロナで仕事が減ったのを機に、そのノウハウを活かして、これまでにない「イベント」と「激安グルメ」を組み合わせた、新たなお店を始めたのです。

しかし、100円グルメで経営は成り立つのでしょうか.。

カフェジェラオカ 岡建典 店長
「客単価を上げるのではなく、お客さんの数を増やして売り上げを上げていこうという考えなので、どんどんお客さんを増やそうという感じ。(目標は)500食売れれば5万になりますので」

■目標の500食、達成なるか?100円メニューの売れ行きは…

販売目標は500食ということで、実際どれほど売れるのか調査しました。

この日初めて来たという家族が購入したのは…

お客さん
「チャーハンとフライドポテト、焼きそば、フランクフルト、かき氷で500円」

家族3人で5品購入、つまり売上は500円。

続いて、よく利用するというご家族は6品お買い上げで、600円の売り上げ。さらに…

お店を従業員に任せてイベントへ。そこでも、もちろん100円。すると…

お客さん
「焼きそばを10個ください」

出張先でも売れ行きは絶好調。目標の500食は達成できたのか。

この日売れた100円メニューは、焼きそば103個、かき氷92個、チキンカレー63杯など、合計745食。74500円の売り上げで、見事目標達成です。

100円以外のメニューも合わせて、合計12万4200円を売り上げました。

物価高でも値上げしない100円グルメ。皆さんも足を運んでみてはいかがでしょうか。