■クマ鈴は効かない?
参加者から「クマ鈴で、人だと思って逆にクマが寄ってくるようなことはないのか」などの質問が出ました。

勉強会に参加していたクマの専門家・間野勉さんが質問に答えました。間野さんは今年3月まで北海道立総合研究機構に所属し、長くクマの研究や調査に携わってきました。
間野さんは、「音は人間がクマに存在を知らせるしるし。多くのクマはそのしるしに反応して人を忌避する。ただ、人に近づいておいしいものを食べられたなど成功体験をしたクマにとっては、ご飯の合図のベルになってしまう。そうした状況を作らないことが大切」と説明しました。
クマ鈴をつけていても事故にあったケースを見聞きしても「無意味に慌てる必要はない」ものの、危険な兆候がある場合は例外となるため、その意味でも出没の分析が必要です。
人を避けるクマなら、音を出す・草刈りをして見晴らしをよくするなど、できる対策はあるといいます。ただ、危険な兆候がある「問題個体」の場合、個人や地域でできる対策だけでは限界があるのも現実です。
また参加者からはクマの出没に関して「気を付けるべき時間帯」についても質問が出ていました。(HBC北海道放送・幾島奈央)
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