ウクライナの隣国・ポーランドでひと月以上前から避難民の母親と子どもたちを受け入れている日本人男性がいます。子どもたちの心境の変化や、課題となっている「避難民の生活の再建」などについて話を聞きました。
(東優悟さん)
「(避難した子どものいまの様子は?)遊ぶとか慣れてきて、少しだけリラックスする時間ができて、その時は笑えている。だから笑えている時間が増えた」
ポーランドに住む大学院生の東優悟さん(25)。婚約者と息子の3人で暮らしている家で、3月9日からウクライナ避難民の母親と子ども2人(5歳・8歳)を受け入れています。
(東優悟さん)
「わがままを言ったり、感情表現は以前よりもさらにしたりするようになってきていますし。うちの子が『ピザが食べたい』と言ったら、難民の方の子どもが『マクドナルドが食べたい』と言って泣きながら子どもたちでもめて。それだけ自分の意思を表現できるようになったのはある意味大きい」
子どもたちは1か月以上、戦地・ウクライナに残る父親と直接会えていません。
(東優悟さん)
「お父さんの心配と『お父さんと会いたい』がすごく表に出ているんですよ。笑えている時間が増えたが、いざ、お父さんのことを思い出したり、お父さんのことにふれてしまったりするとやっぱり寂しい顔はします。そこに関しては変わらないのかなと」
東さんの住む街も、このひと月で様子が変わりました。
(東優悟さん)
「ウクライナ難民が地べたで寝る風景は本当に減ってきました。それと同時に街の中では、もう5人に1人くらいがウクライナ人じゃないかなと」
ウクライナからの避難民はポーランドの人口の7%ほどとなっていて、いま課題となっているのは彼らの「生活の再建」です。
(東優悟さん)
「仕事も足りていないんですよ。仕事が足りたとしても保育所が足りていないんですよ。子どもたちを預けられないと仕事ができないしお金も稼げない。日々お金を使うだけになって」
そこで東さんが取り組んでいるのが、避難民の子どもを預かる「託児所」の設立です。一軒家で40人ほどを受け入れる予定で、ポーランドのNGOと共同で開設を目指しています。しかし、課題も残されています。
(東優悟さん)
「託児所の候補になっている家です。階段が子どもを預かるにはすごく危険なので。こういう所の隙間も小さい子どもがいると不安になるので、気を付けていかないといけないですね」
託児所にするためには大規模なリフォームが必要で、その後は運営費もかかります。東さんは日本からの支援を呼びかけるなど設立に向けて奔走していますが、大学院での勉強に加えて4月から仕事も始めて多忙を極めています。
(東優悟さん)
「忙しすぎてパートナーとのけんかがちょっと増えた。自分の生活とか身を削って日本の支援をなんとかつなげたいし、自分がここにいる価値がそこにあるのであれば、いまは頑張りたいと思っています」
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