広島市安佐南区の住宅街で「クマのような動物を見た」という目撃情報が相次いでいることから、区役所が注意を呼びかけています。
目撃者の男性
「これくらい…お尻から頭までがこれくらいですかね」

安佐南区役所などによりますと、先月30日早朝、安佐南区伴南の住宅街で、クマのような動物が目撃されました。目撃したという男性に話を聞くことができました。
目撃者の男性
「いままで聞いた事がないような声がしたのでなんだろうと思ってたら、黒い、僕はクマだと思っているんですけど(動物)が歩いているのを見た」
男性が「クマのような動物」を目撃したのは30日午前4時ごろのことでした。自宅の窓から、街灯に照らされた黒く大きな動物が歩く姿が見えたといいます。動物は「ゴフゴフ」という大型獣特有の唸り声をあげていました。
目撃者の男性
「イノシシやアナグマは足が細いはず。(見た動物は)足の太さが違う、足の平がとても大きくて、イノシシやアナグマじゃないと感じた。体長は1メートルは超えていたと思う」

男性の目撃から4日後、同じ地区で2件目の目撃情報がありました。区役所によりますと、男性が目撃した場所からわずか150メートルほど離れた場所で、今月3日、下校中の児童が「クマのような動物を見た」ということです。

午後4時すぎ、道路の法面を歩く「クマのような動物」を目撃したのは、近くの小学校に通う児童2人。連絡を受けた教員が児童と確認しましたが、動物は見当たらなかったということです。念のために学校は警察や区役所保護者などに連絡し、注意を呼びかけました。
さらに翌4日午後2時ごろ、2件目の目撃場所からおよそ1.5キロ離れた安佐南区大塚西の路上で児童3人が道路を歩く「クマのような動物」を見たということです。

区役所は目撃情報が寄せられた場所それぞれ、クマレンジャーと現地を調査しましたが、いずれの場所からもクマの痕跡は見つからなかったということです。
近隣住民
「小学生とか住んでいるのでこわい」
「一人だとどうしたら良いか分からない。太刀打ちなんてとても無理だろうし」
安佐動物公園によりますと、この地域の近くには山もあり、山にはクマが生息している可能性が高いということです。クマはこれからの時期、冬眠に向けて食べ物を探し始めて活発に動き出す時期だということです。

区役所はクマを寄せ付けないためにも、「生ゴミなどを放置して野生動物に触れさせることのないよう心がけて欲しい」としています。