長野県中野市で2023年、4人が殺害された事件の裁判員裁判は、被告の両親がその生い立ちや事件当日の状況などを証言しました。
記者リポート:「青木被告の母親は法廷に入ると遺族に向かって深々と一礼しました。休廷時間には被告に目を向ける様子もありましたが、青木被告が目を合わせることはありませんでした」

中野市江部の青木政憲被告は、2023年5月、女性と男性警察官合わせて4人を殺害した罪などに問われ、4日の初公判では起訴内容について「黙秘します」と述べました。
5日の法廷には、被告の両親が証人に立ちました。

母親は、4人が襲われたあと、青木被告が自宅に立てこもっているところに帰ってきました。
検察の質問に対して母親は。
母親:「猟銃のようなものを持っていました。うろたえている様子でした。銃撃戦をするような構えでうろうろ歩いていました。SWAT(スワット)が来たら撃ち殺されると思いました。ものすごくショックを受け、息子を守ってあげたいと思い、そばに寄り添っていました」
その後、息子に自首するよう促したものの、「絞首刑は嫌だ」と答えられた母親は。

母親:「『私が撃とうか』と言いました。うつ伏せに倒れ、『心臓がここにあるので背中を撃ってくれ』と言われました。とても息子を撃つことはできませんでした」
母親は、被告から銃を受け取りその場を離れて警察に渡したとされます。