岩場から消えた海藻 元の姿に戻るには時間がかかる

三重大学の松田浩一教授の研究チームは、4年前から海の調査を続けています。
志摩半島沿岸の海藻の生育状況はいま、どうなんでしょうか?

(三重大学 水産実験所 松田浩一教授)
「時期的にも一番海藻が少ない時期ですが、ほぼ海藻はない」

岩場から消えてしまった海藻。しかし、海水温はこの日は23℃。去年の同じ時期より低くなっていました。

(松田教授)
「大蛇行がピークの時には30℃ほどあった水温ですので、ことしはずいぶん低いかなと」

『黒潮大蛇行』の終息は朗報と言えそうですが、一度消えた「藻場」が元の姿に戻るには時間がかかります。

(松田教授)
「アラメとかカジメ(などの海藻類)は胞子を海に放出するが、近くに親の海藻がないと種も届かないので、なかなか回復には時間がかかる」

そして、列島で続いている猛暑も海水温の上昇に大きく影響しています。

(松田教授)
「気温が1℃上がると海水温が0.7℃くらい上がりますので、地球温暖化による気温の上昇というのは沿岸水温の上昇に繋がっている」

夏の平均気温は3年連続で過去最高を更新。人は自然に抗うことはできませんが、「美し国 三重」の海と暮らしを守る手だてが見つかること…期待します。