大阪・ミナミを舞台にした巨額の地面師詐欺事件。指示役とされる男は、初公判で起訴内容を認めました。

 海外からの観光客でにぎわう大阪・ミナミ。巨額の詐欺事件の舞台となったのは地価上昇が続くこの場所でした。その手口は…

 起訴状などによりますと東大阪市の会社役員・福田裕被告(53)らは去年、不動産会社の代表になりすまし、その会社が所有するビル3棟を計約14億5000万円で売却し、カネをだまし取った罪に問われています。

 いわゆる“地面師詐欺”狙われたのは長い間使われておらず、廃墟のようになったビルでした。その手口はこうです。

 まず、ビルを所有する不動産会社代表の女性(70代)にカネを貸しているとするニセの借用書を区役所に提出し、女性の住民票の写しを手に入れます。これを元に偽造した運転免許証で、女性の印鑑登録を変更し、その後、法務局に不動産会社の代表が粂陵平被告(25)に交わったとウソの登記申請を行って不動産会社代表の女性になりすましたとみられています。

 9月4日の初公判で、福田被告は起訴内容に間違いがあるか問われると「ありません」と答え起訴内容を認めました。

 一方、検察官は冒頭陳述で「代表取締役になりすまそうと考え、偽造の運転免許証を使用し、印鑑登録を変えて、法人登録などを変更し偽造した株主総会の議事録などを作成。不動産会社に3つの不動産の架空の売却話をもちかけた」などと述べ、「現金をだまし取るために不動産を売却し、詐取した金のうち少なくとも1億1千万円を取り分とした」と指摘しました。