松井が豪快アーチを見せる

バッティングを披露する松井氏

イチローは「(松井を指して)本番に強いから俺は本番に弱いから」と子どもたちに話していると、松井は3球目にライトスタンドへホームラン、3球しか見れなかった子どもたちからは「もう1本」という声が上がった。すると、期待に応えてライトスタンドへ運ぶと子どもたちから大歓声が上がった。

子どもたちからの質問で「遠くに飛ばすためにはどうすればいいですか」ということにイチローは「正確に捉えるということ。バットの飛ぶ位置があるから、その感覚を覚えることが大事。決して力じゃない、打つことも投げることも走ることもそう。リズム良くバランスよくそういうことを大事にしてほしい」と応えた。

イチロー、生まれ変わるなら“セミ”になりたい

質問に答えるイチロー氏と松井氏

さらに野球選手ではなかったどんな職業についていたかという質問にイチローは「それが一番困る質問」と笑顔を見せて、「職業じゃないけど、生まれ変わったら何になりたいかというのをおじさん達はするんですけど、僕は“セミ”って答えます」これには小学生も「えーーー」とびっくりした表情。

イチローは「セミはなんかいいなと。実は2週間(生きる)という説もあるらしくて、いずれにしても短い、だけど出てくるまでが凄く長いの。土のなかにいる時間が年単位なんだって。そういう生き方もいいなって思って。次があったら“セミ”になりたいと思って」と“イチ流”の考え方を口にした。

最後に小学生に向けて松井は「まだ地震の影響があるかも知れませんが、今日のエネルギーで野球も、学校生活も、勉強も頑張ってください」とエール、イチローも「野球以前の問題が凄く大事な事で、挨拶しっかりする、人の話をしっかり聞くとか。まずは大切なことを大切にしてほしい」と子どもたちに言葉を送った。

野球教室を終えたイチローは「僕も神戸での震災を経験して、去年、大変な被害に遭われた方の気持ち、どうしても痛みとか、苦しみとか悲しみとかっていうのを想像するんですね。そのときに、僕ができることっていうのはもう野球でしかないから」と話し「僕1人でっていうのもどうなんだろうって考えたときに、松井選手と一緒にできたら、これは何が一番いいな」と参加の理由を口にした。

松井も「イチローさんが来てくださった。その事実が自分の中ではすごい大きいですよね。自分でも足がなかなか向かない、向かなかったんでこれまでもね。でもこうやってこの機会に来てくださったっていう、その事実だけで自分の中ではもう感激というか、本当にもうイチローさんに感謝ですね」と話した。