100mはジャマイカ勢がライルズを連破

最終戦の男子100mはC.コールマン(29、アメリカ)が9秒97(向かい風0.4m)で優勝したが、コールマンは全米選手権5位で世界陸上に個人種目では出場しない。全米選手権やジャマイカ選手権の上位選手が最終戦に出場していなかったが、今季は最終戦が世界陸上の3週間前の開催だったため、当初から出場しないスケジュールを組み、練習に充てた選手が多かったのかもしれない。

その代わりではないが、シレジアとローザンヌには金メダル候補が多数出場した。シレジアの男子100mはジャマイカ選手権優勝者のK.トンプソン(24、ジャマイカ)が、9秒87(追い風0.3m)で優勝。超人BIG7の1人、前回世界陸上優勝のN.ライルズ(28、米国)に0.03秒差をつけた。ローザンヌではジャマイカ選手権2位のO.セビル(24、ジャマイカ)が9秒87(向かい風0.3m)で優勝。2位はシレジアに続きライルズで、0.15秒と差が大きくなった。

ライルズは今季ダイヤモンドリーグで、100mは3戦して一度も勝てていないが、200mは7月のモナコと最終戦のチューリッヒで優勝。チューリッヒは19秒74(向かい風0.6m)で、パリ五輪金メダリストのL.テボゴ(22、ボツワナ)に0.02秒差で競り勝った。

各選手のダイヤモンドリーグの戦績から、東京世界陸上の100mはジャマイカ勢が、U.ボルト以来の金メダリストを出す可能性が高くなってきた。200mに関してはライルズが、3連勝に近づいている。

しかしライルズも100mで勝てていないのは、シーズン序盤の故障が理由と思われる。シレジアの100mを走った後に「大きなステップになった。東京に向けて本当にワクワクしてきた」と手応えを口にした。ライルズの2大会連続2冠の可能性も残されている。