ストーカー事件として見ると「2つのポイント」
ただ、ストーカー事件として見ていくといくつかポイントがあるということです。
【ポイント① 面識がない相手をつきまとうのは珍しい】
実際、警察庁の「2024年ストーカー事案の加害者と被害者の関係」というデータによると、7割近くが「知っている人」につきまとうケース。「面識のない人」にストーカーをするケースは1割以下となっています。
交際相手(元含む):37.1%
知人・友人:13.4%
勤務先同僚・職場関係:12.6%
配偶者(内縁・元含む):6.8%
面識なし:8.8%
その他:8.6%
不明:10.7%
密接関係者:2%
【ポイント② 親密希求型から捕食型か?】
原田教授によると、ストーカー事案は大きく5つの類型に分けられます。
1.拒絶型 配偶者や恋人の関係が崩壊。“復縁”を迫る(大多数)
2.憎悪型 怒りやストレスを抱き嫌がらせ
3.親密希求型 恋愛関係になりたい。妄想傾向
4.無能力型 “片思い”自覚も社会的能力が低い
5.捕食型 性犯罪や暴力が目的
これらの類型で見たとき、今回の事案は、親密希求型から捕食型へ、複雑に絡み合って両方出てきたケースかもしれないというのが原田教授の見立てです。谷本容疑者について、「つきまとい自体が快感だった可能性」「人の気持ちがわからず後先を考えない衝動性」と分析した上で、「当初は殺害目的ではなかった」可能性を指摘しています。