後半で耐えきることができれば3位以内も

豊田自動織機チームとしては8位以内が目標で、田中で上位の流れに乗り「耐えきるのが1つのテーマ」(松田三笠監督)となる。

2区候補の後藤は日本選手権1500m2位の選手。世界ランキングにより惜しくも世界陸上代表入りは逃したが、10月には1500mで田中に勝ったことも。しかしトラックシーズン後は状態が上がらず、プリンセス駅伝(10月23日)は欠場した。

「2区なら3.3kmと短いので、トラックの勢いで行けると思います。初めての実業団駅伝で今の力をしっかり出して、来年の駅伝につながる走りをしたいですね。サポートに回るようなら、自覚を持ってしっかりサポートします」

西脇工高時代からのチームメイトである田中とは、「2人で1・2区で、タスキをもらうことが多かった」という。「2人とも区間2位ということはあったのですが、2人区間賞はありません。今年じゃなくても、今後の実業団駅伝で達成したいことの1つですね」

3区候補の川口は今年、日本選手権10000m4位など安定した成績を残している。区間賞候補に挙げていい選手だが、川口本人は「3区は(日本選手権に出場していなかった)強い選手が来るので、区間8位以内を確実に取る走りをしたい」と自身の目標を掲げた。

松田監督が「3月中旬から4月中旬までの1カ月、かなりハードな練習をやり遂げた」と言うように、5月の日本選手権ではその練習の成果が好成績として現れた。6月の日本選手権5000mも7位に入賞し、7月のホクレンDistance Challengeシリーズの連戦では1500m、3000m、5000mと自己新を連発した。

その反動で左ひざに痛みが出たが、20~25kgのバーベルを使ってのスクワットに取り組み、故障再発を防ぐため太腿周り、腰周りの強化ができたという。1区区間賞だったプリンセス駅伝では「体がしっかり耐えられる感じがした」とトレーニングの効果を実感した。

相手が新谷仁美(34・積水化学)や廣中璃梨佳(22・JP日本郵政グループ)になると予想されるので、トップでタスキを受け、川口が区間3~4位の走りをしても後退してしまうかもしれない。だが、松田監督によると川口の踏ん張り次第では、4区のヘレン・エカラレ(23)でトップに浮上する可能性も「ものすごくよければある」という。

5区にも強い選手を配置できれば、豊田自動織機は上位争いに終盤まで加わるかもしれない。昨年の日本選手権10000m9位の薮下明音(31)が復調したり、期待の小笠原安香音(21)がブレイクしたときだ。

1区か2区の田中でトップかそれに近い位置を確保し、それを3区以降、川口やエカラレの愛知組でどう維持するか。田中の力を生かす駅伝ができたとき、豊田自動織機は3位以上も期待できるチームだろう。

(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)