蛇行なぜ起こる?海流の正体は「風」

和歌山県沖では多くのサンゴが白く変色して死んでしまう「白化現象」が確認されており、これも大蛇行の影響が指摘されています。2023年に大阪湾に迷い込み話題となったマッコウクジラの「淀ちゃん」も、海流の変化によって迷い込んだ可能性が考えられています。

そもそも、なぜ黒潮はあれほど大きく蛇行するのでしょうか。

太平洋や大西洋をはじめ、世界中の海には「海流」と呼ばれる巨大な水の流れが存在します。海流は地球の自転、海底の地形など、さまざまな要因で起きると考えられますが、その主な原因は「風」だそうです。

地球上では、常に特定の方向に吹く風が存在します。赤道付近では東から西へ吹く「貿易風」、そして日本が位置する中緯度帯では西から東へ吹く「偏西風」です。この風が海面を押し続けることで、巨大な海流が生まれます。実際に世界の海流図を見ると、北半球では風に押されて時計回りに、南半球では反時計回りに、風の向きと連動して海水が循環していることがわかります。

驚くべきことに、水深4000メートルもあるような場所でも、水深3000メートル付近まで、いわば海の底近くまでが一体となって流れているのです。長い年月をかけて風が吹き続けることで、その力が海の深くまで及んでいると考えられています。

では、その風自体は何が原因で吹いているのか?という問いに行き着きますが、その答えは「地球の自転」です。地球が自転を続ける限り、貿易風や偏西風は吹き続け、それに伴って海流もまた、絶えず流れ続けるというわけです。