看護師の気持ち

心菜ちゃんが通っていたデイサービスは、日常生活で介護が必要な重症心身障害児が通う施設だ。

心菜ちゃんはここでスタッフの介助を受けながらピアノをひいたり、家ではできない経験をしていた。

責任者として心菜ちゃん家族をみてきた看護師の女性も、証人として出廷した。

看護師
「母親はとても熱心で教育的でいつも感心していました。看護師から見てもすごいケアでした」

弁護士 他の家庭に比べてどうでしたか
看護師 週末外出しているということに驚きました。
    医療機器まとめるのも大変だし、荷造りや荷ほどきも大変です。

弁護士 夫もケアには積極的でしたか
看護師 献身的で熱心。休みの日は送迎もしていました。

弁護士 事件を知ったのは?
看護師 1月6日にスタッフから心菜ちゃんが亡くなったことを聞きました。
    母親が薬を飲んで病院に運ばれたことも。

弁護士 事件についてどう思いますか
看護師 事件は母親だけが悪いわけではなく、社会のせいでもあると思います。
    医療的ケア児が増えたにもかかわらず、教育と福祉が追いついていない。
    親御さんだけに負担がかかっています。

弁護士 裁判官に伝えたいことはありますか
看護師 刑務所に入ることが償いとは思いません。
    母親は余命2~3年と言われていた心菜ちゃんの寿命を
    8年間大事に大事に延ばしてきました。

今後母親にどういう人生を歩んでほしいか尋ねられると、こう話した。

看護師
「ここちゃんが繋いでくれた命。その命を全うしてほしい」